新卒女子大生インドネシア記〜日本語パートナーズインドネシア11期〜

就活売り手市場最盛期の時代に、就活をせず海外に行こうと決めた女子大生のブログです。2019年夏より日本語パートナーズとしてインドネシアのランプン州で活動をしています。#日本語パートナーズ

私から見たイスラム教とムスリム#38日目

Selamat malam!

 

今日はタイトルにもある通り、イスラム教やムスリムについて私が感じたことを書いていきます。

※ちなみに私はインドネシアに来る前イスラム教やムスリムの勉強をしていたわけでもありません。ここに書くことは全て私が個人的に感じたことと、考えたことです。

 

初めに、インドネシにおけるイスラム教の割合は大きく、多宗教多民族国家でありながらイスラム教の文化はこの広いインドネシアの各地域に根付いています。

バリなどはヒンドゥー教徒が多く、文化もかなり違うと聞きますが、私が住んでいるランプン、そして首都のジャカルタがあるジャワは少なくともイスラム教徒が多く住んでいます。

 

皆さん、イスラム教と聞くとまず初めに浮かんでくるのはどんな言葉又はイメージですか?

日本人はISISやテロリスト、危ない宗教と言ったイメージを持っている人が少なからずいるのではないでしょうか。

また、難しいといったイメージやお堅いイメージを持っている人もいるかもしれません。

私は正直、日本にいた時はそのようなイメージを持っていました。

もちろん全員がそういう人というわけではなくても、イスラム教に対するほかの情報を持っていなかったため、ニュースで流れることやメディアによる影響が私の中でイスラム教のイメージを作り上げていました。

今思えばとても恥ずかしいですが、その時はイスラム教を知るために何をできるのかすら分かりませんでした。

もしくは、心のどこかで日本にはあまりいないから、差別さえしなければ深く勉強する必要はないと思っていたのかもしれません。

 

インドネシアに来て1ヶ月半が経ちました。

NPとしての活動が本格的に始まってからは1ヶ月。イスラム文化ムスリムはもはや私の生活の一部となっています。

なぜなら、1日に5回のお祈り時に流れるアザーンの音を避けることはできませんし、SMKで一限前に生徒全員がコーランを読んでいる姿を見ていますし、ジルバブをつけていないひとを見ない日はないからです。

こちらで出来た友達も全員ムスリムなので、ふいに言った言葉で気を遣わせてしまうこともあります。(食べ物や服についてなど)

 

そんな生活の中で私のイスラム教に対する考え方は180度変わりました。

変わったどころか、いつも新しい考え方や価値観を共有してくれる周りの人達に対して、人として尊敬をしています。

そして私は、インドネシアという多宗教多民族国家の特性が各宗教の考え方といい具合に影響し合っているとも思うのです。

だからインドネシア人は宗教に関係なく、個々の人間としてもお互いを認め合う事、尊重する事ができるのだと感じました。

 

私がこう考えるエピソード・理由は沢山あります。

例えば独立記念日のイベントに参加した時。

ムスリムの長老(地域の長のようにもみえた)が前に出て、お祈りをする時間となりました。そこでその長老はこう言いました。

「今からお祈りをします。もしあなたがムスリムなら、私と一緒にお祈りを。もしそうでないなら、あなたの属する宗教のお祈りをしてください。」

これを聞いた時、全世界の人がこの言葉を心から言う事が出来たらきっと争いはなくなるだろう、と心を打たれました。

ここにはムスリムだけがいるのではない、でも自分たちと違う宗教を批判し差別するのではなく、むしろ心から理解し認め合う。

長老の言葉から学んだムスリムの考え方です。

 

他にはこんなエピソードがあります。

大家さんの姪っ子と話していた時のこと。

一般的に女性は外出時にジルバブを着用することが望ましいと考えられています。

その理由の1つとしてできるだけ女性の美しい部分は守る為・隠す為といった理由があります。

この地域では幼い子どももジルバブをつけている子がいますし、SMKの生徒も全員着用してあます。また、特に結婚している女性は全員つけたほうが良いそうです。

大家さんの姪っ子のNちゃんは、私と同世代で独身で、ジルバブはつけていません。

そんなNちゃんは四年間地元を離れて大学自体を過ごしていたそうですが、たまに帰ってきたときや久し振りに会った友達に必ず「あなたはいつジルバブをつけるの?」「ジルバブをつけないのはなぜ?どう思っているの?」と聞かれるそうです。

そこで、私が聞いたNちゃんの考えがとても新鮮でした。Nちゃんは私にこう言ったのです。

「たしかに、イスラム教ではジルバブを着用することが望ましいとされいてるのはわかるわ。でも、宗教は常に私と神の関係であって他の人から強制される関係ではないと思うの。私と、神と第三者の三角関係ではないわ。」

宗教に対する考え方は様々だと頭ではわかっていましたが、彼女の言葉ではっとさせられました。

宗教は自己と神の関係。だからその関係が成立する限り、自分なりの考え方や向き合い方で生きていったっていい。

私は、きっとこの言葉をずっと忘れないと思います。

 

まだまだエピソードはありますが、この2つが特に私の考え方を変え、影響を与えてくれたエピソードです。

 

日本にいたらきっとわからなかったこと。

そして、私がここに来た使命の1つだと強く思います。

宗教などもはや関係なく、人として尊敬できる彼らのことを沢山日本に広めたい。

ムスリムについてよくわかんなくても、イスラム教や彼らに対する偏ったイメージを少しでも減らしたい。

そのためにもまずは、私がもっと彼らを知ること。そして彼らにも考えを共有すること。

これが残された6ヶ月でできることかなと思います。

 

Terima kasih!